SEOキーワードの選び方:検索ボリュームより「受注に近いか」で決める
SEOのキーワードリストを前に、どれから手をつけるべきか決められずに止まっている——。SEO専任者がおらず、月に数本しか記事を書けない会社では、これはよくある状態です。ツールが示す検索ボリュームの大きい語から順に埋めていこうとすると、競合の強い語ばかりが並び、書いても順位が付かない、付いても問い合わせにつながらない、ということが起きます。限られた記事数で成果を出すなら、選ぶ基準を「検索数の多さ」から「受注への近さ」に入れ替えるのが近道です。
なぜ「検索ボリュームで選ぶ」と外すのか
検索ボリュームの大きい語は、それだけ多くのサイトが狙っています。専任チームと予算のある競合が上位を占めていることが多く、月に数本しか書けない体制で正面から取りに行っても、順位が付くまでに時間がかかります。
もう一つの問題は、ボリュームの大きい語ほど検索している人の目的が発注から遠いことです。「〇〇とは」のような情報収集の語は数が多い一方、その多くは調べているだけで、いますぐ発注する人ではありません。流入は増えても問い合わせは増えない、という結果になりがちです。
逆に、発注を検討している人だけが使う語は、検索数が少なくツールに表示されないこともあります。数を基準にすると、こうした「数は小さいが受注に近い語」が最初から候補から抜け落ちてしまいます。少ない記事数で戦うなら、この抜け落ちが一番の機会損失になります。
キーワードの種は自社の中にある
受注に近い語を見つけるのに、外部のツールから始める必要はありません。実際に見込み客が使っている言葉は、すでに社内に残っています。ツールが出す一般的な業界用語よりも、こうした一次情報のほうが本物の検索語に近いことがよくあります。
次のような場所から、検索語の種を拾っていきます。
- 営業が受ける質問:商談で繰り返し聞かれる疑問や不安は、そのまま検索されている語であることが多い
- 問い合わせメールの本文:見込み客が自分の言葉で書いた文面には、実際の検索表現が含まれる
- 商談の議事録:比較で挙がった他社名、断られた理由、決め手になった条件などの語
- 既存顧客への質問:「導入前に何と検索しましたか」と聞くと、発注直前の語がわかる
- サポートやよくある質問:導入後の疑問は、検討段階の人も同じ言葉で検索していることがある
二軸で仕分ける ― 検索ボリューム × 受注への近さ
拾った語は、「検索ボリューム」と「受注への近さ」の二軸で仕分けます。受注への近さは、おおまかに次の順で高くなります。指名・比較検討の語(「〇〇 比較」「〇〇 料金」「〇〇 導入」)がもっとも近く、次に課題解決の語(「〇〇 できない」「〇〇 方法」)、もっとも遠いのが情報収集の語(「〇〇 とは」)です。
この二軸で、優先順位は次のように決まります。
- 受注に近い × ボリュームあり:最優先。ただし競合も狙うため難度は高い。中心テーマとして時間をかける
- 受注に近い × ボリューム少:少人数の主戦場。月に数十回でも商談化する語は、ここを真っ先に書く
- 受注から遠い × ボリュームあり:認知を広げる語。記事を書く余力ができてから着手する
- 受注から遠い × ボリューム少:基本は書かない。人手を割く優先度は最も低い
少数精鋭の記事に落とし込む
書くと決めた語は、1記事につき中心となる語を1つに絞り、その検索意図に正面から答えます。1記事に複数の狙いを詰め込むと、どの検索意図にも中途半端になり、かえって順位が付きにくくなります。
中心の語はタイトルと見出しに自然に置き、関連語は本文の中で無理なく触れる程度で十分です。記事の中には、料金・事例・問い合わせといった受注に近いページへの内部リンクを置き、読み終えた人が次の行動に進める導線を作っておきます。
新しく書くたびに、既存の記事と検索意図が食い合っていないかも確認します。同じ意図の記事が複数あると、評価が分散して両方とも上がりにくくなります。重なりが見つかったら、片方に統合する、片方を書き直すといったリライト・統合の判断を行います。
効果は順位ではなく問い合わせで測る
選定がうまくいったかは、順位ではなく問い合わせと商談の数で判断します。Search Console で表示回数やクリックを確認しつつ、最終的な指標は「その記事から商談が生まれたか」に置きます。
ボリュームの小さい語は、順位が1位でも流入そのものは多くありません。それでも、その少ない流入から商談が生まれれば成功です。逆に、流入が増えても商談がゼロなら、語の選定か記事の中身を見直します。
この考え方は、Google 検索セントラルが示す「検索エンジンのためではなく、人のためにコンテンツを作る」という有用なコンテンツの方針とも一致します。発注を検討している人の疑問に具体的に答える記事は、結果として検索でも評価されやすくなります。
よくある質問
検索ボリュームがゼロ、またはツールに出ないキーワードでも狙う価値はありますか?
あります。BtoBや専門性の高い商材では、購入を検討している人だけが使う語の検索数は少なく、ツールに表示されないこともあります。月に数十回でも、その語で検索する人が発注に近いなら、優先して書く価値があります。ツールの数値はあくまで目安で、実際に問い合わせにつながるかは公開後のSearch Consoleと商談で確かめます。
ロングテールの語ばかりだと、そもそもの集客が増えないのでは?
流入の総量は増えにくいですが、目的は流入そのものではなく問い合わせです。受注に近い語は一件あたりの価値が高く、少ない流入でも商談が生まれます。認知を広げる大きな語は、記事を書く余力ができてから足していく順番で構いません。
1記事にキーワードはいくつ入れればいいですか?
中心となる語は1記事につき1つに絞り、その検索意図に正面から答えます。関連語は本文で自然に触れる程度で十分です。1記事に複数の狙いを詰め込むと、どの検索意図にも中途半端になり、順位が付きにくくなります。
BtoBで検索する人が少ない語は、どうやって見つければいいですか?
営業が受ける質問、問い合わせメールの実際の文面、商談の議事録に出てくる比較語や課題語を拾います。既存顧客に「導入前に何と検索したか」を聞くのも有効です。社内の一次情報のほうが、ツールより実際の検索語に近いことがあります。
選んだキーワードで順位が上がりません。見直すべきですか?
まず順位ではなく問い合わせで判断します。順位が低くても、その語からの流入で商談が生まれているなら継続します。流入も商談もない場合は、検索意図と記事の中身がずれていないか、または既存記事と食い合っていないか(リライトや統合の判断)を確認します。
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